私が何度も聞きたくなる夫の住んでいたアパート話

学生時代そして社会人と、結婚するまで実家暮らしをしていた私にとって、下宿話というのは実に新鮮です。そんな時代の話を楽しく聞かせてくれる人が実は身近にいます。それは他ならぬ私の夫で、高校時代、大学時代とアパートで下宿生活を送っていたそうです。

時をさかのぼること今から30年以上前の話なので、現在の学生とは全く違う生活を夫はしていたようでした。そのアパートは当時で既に築20年ほど経っており、6畳ひと部屋に半畳ほどのキッチンがついていたんだそうです。キッチンとは名ばかりの単なる流しのようなもので、湯を沸かすのが精いっぱいだったと夫は話してくれました。風呂なし、トイレは和式の共同一つのみ、住人達は学生もいれば若い女性の会社員、お年寄りもいたらしく、時々誰かの部屋に集まっては飲み会をして夜遅くまで語り合ったのだと夫は話します。電話は玄関先の公衆電話が一つのみで、それが鳴るたび、すぐ近くの部屋に住んでいた夫が電話に出て誰かの部屋まで呼びに行くのが決まりだったようです。私からしてみるとなかなか大変な暮らしのようにも思えるのですが、アパートの住人全体が家族のようだったから苦に感じたことはないのだというのが夫の弁です。古き良き昭和を感じさせてくれる夫の下宿生活話は何だか微笑ましく、どこか懐かしさを覚えるのでした。

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